カメラを購入し物撮りやポートレートに挑戦してみたが、思ったような写真が撮れない・・・。
と悩んでいる初心者の方にオススメしたいのがライティング機材です。
- クリップオンストロボ
- 遠隔操作コマンダー
- ソフトボックス
- レフ板
- ライトスタンド
その中でも今回は、ストロボ光を柔らかくするためのソフトボックスを紹介します。
本格的な物撮りやポートレートを始めるなら必須のアクセサリーです!
レンズや高いカメラボディを購入するよりもよほど写真のレベルがアップしますよ!
参考になれば幸いです。
Godox ソフトボックスの基本情報
サイズバリエーション
今回紹介するGodox 折りたたみ式ソフトボックスには3つのサイズバリエーションが用意されています。
- テーブルフォトなどの小物撮影に向いている40cmx40cmの小型サイズ
- 物撮りからポートレートまで幅広く対応できる60cmx60cmの標準サイズ
- 本格的なモデル撮影にも対応できる80cmx80cmの大型サイズ
自分の撮影したい対象のサイズや、撮影環境の広さに応じて選ぶことが可能です。
個人的には、一番標準的で使い勝手のいい60cmのものがオススメです。
付属品
全サイズ共通でGodoxの折りたたみソフトボックスには以下の付属品が付属します。
- ソフトボックスにストロボやライトを取り付けるためのSブラケット
- 折りたたんで持ち歩くためのキャリングケース
Sブラケットはこのソフトボックスだけに限らず、ボーエンズマウントのアイテムをストロボに取り付ける際大変役に立つアイテムですから、これが付属してくるのはとても嬉しい仕様ですね!
効果・作例
つづいてソフトボックスとストロボを使う事でどのような写真が撮れるようになるのか、どのような効果があるのかを紹介します。
【1】まずはストロボを被写体に直射した写真です。
影が固く、パキっとした印象に写っていると思います。
このようなカメラ機材などカッコイイ物には向いていなくもないです。
ただし、女性や子供などの可愛い被写体にはそぐわない印象です。
【2】次が天井バウンスです。
光は直射に比べて圧倒的に柔らかくなっています。
ただ光沢感が消え、全体的にのっぺりとしたつや消しのような表現になっています。
また、天井バウンスでは天井の形状や色が光に乗ってしまうという問題があります。
微妙な光のコントロールには向いていません。
【3】最後にソフトボックス使った写真です。
ソフトボックスを使用した際の影は天井バウンス以上に柔らかくなりました。
ほどよい金属の光沢感やローレット部分の凹凸の質感、コントラストを残しつつ影を柔らかくする事が出来ました。
この「柔らかくコントラストが残る」という部分が女性や子供のポートレートにおいては非常に重要!
光を落とす方向も自分でコントロールできるため、レフ板で影を起こす際にもアテがつけやすいです。
外観・付属品
次にGodox ソフトボックス 60cmタイプの詳細を見ていきます。
Godox ソフトボックスには専用のキャリングケースが付属します。
ケースをあけるとこんな感じで
- ポーチに入った本体
- ストロボに取り付けるためのS型ブラケット
- ディフューザー 大・小2種類
- 取扱説明書
が入っています。
付属しているSブラケットは旧型のもので、V1やAD200といった特殊な形状のストロボを取り付けるにはS2ブラケットが必要です。
S型ブラケットの新旧比較の記事も別記事で書いています。
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付属のディフューザーはフックでゴム紐に引っ掛ける小さなタイプと
マジックテープでくっつける大きなタイプの2種類。
小さなタイプを装着するとこのような感じ
大きなタイプを装着するとこのようになります。
マジックテープは相当強力なもので、いままで何度もつけ外しをしていますが、へたってきたようには思いません。
2枚とも使えば拡散効果が一番高まりますが、光量がその分落ちます。
外側だけを使うと光が少々固くなりますが、そこまで光量は落ちません。
使い方
ここからはGodox ソフトボックスをどのようにセッティングするのかを紹介します。
- ライトスタンドに設置して物撮り
- バックライトで白抜き商品写真を撮る
- ブームアームでを使ったトップライト
- ポートレートにも使える
ライトスタンドに設置して物撮り
Godox ソフトボックスはライトスタンドと併用することで、位置や角度を自由に調整できるようになります。
室内で使うのであれば格安のNeewerプロライトスタンドがオススメです。
設置方法は以下の通り
【STEP1】プロライトスタンドにSブラケットを差し込んでネジで固定
【STEP2】ソフトボックスにSブラケットを挟み込むようにして設置します。
【STEP3】Sブラケットのネジを緩めてストロボを差し込み、固定します。
ライトスタンドに60cmソフトボックスを設置した場合の可動範囲はこのような感じ。
下方向はほぼ真下まで。
上方向は真上まで向ける事が出来るため、光の調整は自由自在です。
ソフトボックス+ライトスタンドを使用した際の撮影環境はこのような感じになります。
被写体の側面にソフトボックスを設置し、逆方向からレフ板で影を起こします。
背景はT字タイプの背景スタンドとPVCペーパーを使用しました。
撮影結果がコチラ
光を当てる方向や強さを自由に変えられるため、いろいろな表現にチャレンジできます。
バックライトで白抜き商品写真
ソフトボックスを被写体の後ろ側に設置することで、通販サイトなどでよく見る背景が白く飛んだ写真を容易に撮影することが可能です。
先ほどと同様にライトスタンドに設置したストロボとソフトボックスを撮影台の後ろ側に設置します。
被写体周辺はなるべく色かぶりのしないホワイトペーパーやレフ板で覆ったほうが結果が良くなります。
撮影後のプレビュー時ハイライト警告をオンにしておくと商品以外の部分が白く飛んでいる事を確認しやすいです。
ハイライト警告が出た部分は「白トビ」といって、色調が残っておらず、撮影後のカラー編集で影響を受けません。
背景を真っ白に保ちつつ商品の色調のみを変更したい場合には、背景を完全に「白トビ」状態にしておくと便利です。
あとは、Lightroom等で必要な部分だけを切り抜けば、きれいな白飛ばし写真を作成する事が出来ます。
ソフトボックスのサイズによって撮影できる商品の大きさが変わります。
大きすぎず小さすぎず、ちょうどいいサイズの60cmタイプがオススメです。
ブームアームを使ってトップライト
物撮りにおいては、真上から光を当てるトップライティングが一番きれいに光が回るためオススメです。
ソフトボックスでトップライトを作るにはブームアームなどの機材が別途必要になります。
セッティングの手順は以下の通り
【STEP1】ブームアーム先端に付属のS型ブラケットを取り付け
【STEP2】被写体の真上にソフトボックスの中心が来るようにしっかりと固定する
【STEP3】ブラケットを緩めてストロボを固定します。
撮影の際は被写体のまわりをレフ板で囲めばさらにきれいに光が回ります。
このセッティングで撮影した写真がコチラです。
横からライトを当てたときと比較すると影が真下に落ちるため目立ちにくくなっている事がわかるかと思います。
天井バウンスと比べてきちんとコントラストも残っています。
トップライトでポートレートを撮影すると、髪の毛にきれいな天使の輪が入りますので多用している方も多いのではないでしょうか。
その際は、鼻の下やあごの下、頬の下などに影が落ちるため、レフやフィルライトで起こしてあげるのを忘れずに。
セッティングが少々面倒ですが、効果は抜群ですよ!
コンパクトに物撮りするなら
ブームアームで作るトップライトは、ポートレートなど幅広く使える分スペースをとります。
もっとコンパクトに物撮りのみでトップライトを活用するならスリックから発売されている、スライディングアームⅡ+クリエイターズクランプを使うという手もあります。
本来はカメラを固定して俯瞰撮影などに使えるセットですが、スピゴットを使う事でソフトボックスを固定することも可能です。
ボーエンズマウントに取り付けるにはアダプターが必要
ここまでは主に、Sブラケットを使ってストロボに取り付ける方法を紹介してきましたが、以下のようなボーエンズマウントが搭載された機材にもこのソフトボックスを使いたい場合もあるかと思います。
こういった場合には、別売りのスピードリングアダプターというものが必要になります。
これをソフトボックスにはめ込むことで、接続部分がボーエンズマウントに変わりますから、上でのせたようなSL150ⅱなどのLEDライトでもソフトボックスを活用する事が出来るようになります。
一緒に揃えたい機材
ここからは、Godoxソフトボックスと一緒に揃えておきたいライティング機材について紹介していきます。
- ストロボ・LEDビデオライト
- S2ブラケット
- 遠隔発光用コマンダー
- ライトスタンド
- 折りたたみ式レフ板
ストロボ・LEDビデオライト
ソフトボックス単体では当然使えません。
発光させるための機器はストロボかLEDビデオライトが必要です。
それぞれの特徴とオススメの機材を下記にまとめました。
参考にしてみて下さい。
ストロボならGodox TT600がおすすめ
入門用のストロボならGodoxのTT600が間違いなくオススメです。
価格も比較的安価で、物撮りやポートレートにも対応できるGN60という大光量が魅力です。
詳しくはTT600購入レビューの記事で書いています。
LEDビデオライトならSブラケット対応のものを
LEDビデオライトでオススメしたいのがGodoxのML60というもの。
13000LUXの大光量で、丸型形状のためS2ブラケットに対応しています。
小型でセッティングがしやすい上に、遠隔操作できるリモコンが付属するのも嬉しいポイントです。
遠隔操作コマンダー
ストロボをカメラから離して発光させるには、コマンダーが必要です。
持っているストロボに対応したコマンダーを用意しましょう。
Godoxのストロボを使っているなら、同メーカーの「X-pro」がオススメ。
大画面で光量調整などがしやすいです。
詳しくはGodox Xproの開封レビュー記事を参考にしてください。
コマンダーはカメラのメーカーごとに型番が違います。
- キヤノン ⇒ Godox Xpro C
- ソニー ⇒ Godox Xpro S
- ニコン ⇒ Godox Xpro N
- フジフィルム ⇒ Godox Xpro F
- オリンパス ⇒ Godox Xpro O
ライトスタンド
ライトスタンドは室内で使うのであれば、Neewerというメーカーのものが価格も手ごろでオススメです。
Neewerのライトスタンドをレビューした記事も書いていますので詳しくはそちらで解説しています。
屋外で使うのであればもっとコンパクトなライトスタンドを検討してみて下さい。
オススメはNissinのスーパーライトスタンドです。
折りたたみ式レフ板
レフ板があると、ストロボを2灯用意せずともきれいに影を起こす事が出来ます。
Amazonなどで比較的安価に手に入りますのでこちらも用意しておくと便利です。
ポートレートでも活用したいのであれば、1m程の大きさを選んでおくと使いやすいです。
小物の物撮りであれば、100均の材料で自作したレフ板でも十分に事足りますよ!
Godox ソフトボックスを実際に使った感想
ここからはGodoxソフトボックス60cmタイプを使ってみてどうだったかを書いていきます。
良かったところ
低価格なのに写真のクオリティが格段に上がる
まずはやっぱり写真のクオリティアップが一番のメリットです。
Godox製品であれば、ストロボとコマンダーとソフトボックスを合わせて買っても2万円もいかないくらいで揃います。
そのくらいの出費で高価なカメラボディやレンズを買い足すよりもよっぽど写真のクオリティが上がります。
サイズ感がちょうどいい
今回紹介した60cmタイプのほかに同製品には40cmと80cmタイプが販売されています。
物撮り、子供の撮影等に使うにはこの60cmというサイズが絶妙にピッタリだな!と感じています。
40cmでは子供の全身を照らすには心もとないですし、80cmだと部屋の中で使うには少々邪魔だろうなと思います。
オススメは断然60cmタイプです。
昼も夜も楽しめる
写真を趣味にするサラリーマンが一番悩む部分が、平日は夜しか撮影を楽しめないというところ。
子供を家の蛍光灯でとっても写真があまりぱっとしなくて楽しめない・・・。
そんな場合にもストロボとこのソフトボックスのセットがあれば、まるで晴天の昼間に撮ったかのような写真を平日の夜に撮ることが出来ます。
どこから光を当てればひるぽっく良い雰囲気で撮れるかなと色々試行錯誤するうちに光を読む力がついて写真の上達にもつながりますよ!
イマイチだったところ
バネが強くてしまいにくい
セッティングの際はポーチから取り出すだけで広がってくれていいのですが、収納時はバネがとっても強くてポーチに戻すのに苦労します。
屋外で場所を次々に変えて撮影するような場面では、毎回収納することになりますからここはマイナスポイント。
もっと収納が簡単なアンブレラタイプのソフトボックスを選択したほうがテンポよく撮影できそうです。
家の中やスタジオにセッティングしたままで撮影するような用途であればコスパも最高で申し分ないのですがね。
ポーチ収納時に若干変形する
これも収納しづらいという部分とかぶってくるのですが、バネが強い分、力任せに収納するとフレームが曲がって使い物にならなくなります。
やはり頻繁に畳んで広げてといった用途にはあまり向かないのかもしれません。
他の製品との比較
ここからはGodoxソフトボックスが他社製品と比較してどうなのかを書いていきます。
Neewer ソフトボックス
今回紹介したGodoxソフトボックスとほぼ同じ形状、性能のものがNeewerというメーカーからも発売されています。
おそらく今回紹介したGodoxのソフトボックスのOEM製品にあたるものかと思います。
メーカーにこだわりがない場合にはこちらのほうが少しだけ安く買えますのでこちらを選択してもさして問題はないかと思います。
ただ、Godoxも中国製とはいえプロも使っているメーカーですから自宅以外で使うのならGodoxのロゴが入っていたほうが個人的にはいいかなと思います。
オクタゴンソフトボックス
Godoxから発売されているオクタゴンタイプのソフトボックスは、今回紹介したソフトボックスとは違い、光の形状が丸に近くなりますから、ポートレートなどで使う際はきれいな形のキャッチライトが入ります。
ポートレートメインで使ってい行くのであればオクタタイプを選択するのもありだとは思います。
ただし、今回紹介したソフトボックスとは違い、骨を一本一本マウントにくっつけてから黒幕をつけるような形になりますからセッティングには時間がかかります。
60cm角型ソフトボックスならポーチから出した瞬間にセッティング完了なのは魅力ですね。
また価格も倍近くしますので、多灯でソフトボックスライティングをしたい場合には出費がかさみます。
アンブレラ
ソフトボックスとよく比較されるのが、アンブレラです。
広い範囲に光を回すのが得意なアンブレラは、ソフトボックスに比べてより柔らかな光の印象となります。
女性や子供をフワっとより柔らかい雰囲気で撮影したい場合にはこちらを選んだほうがいいですね。
ただし、ソフトボックスと比べてコントラストが消えすぎてしまう傾向にありますから、光のコントロールという意味ではソフトボックスの方が簡単です。
物撮りも人物も撮るという方にはソフトボックスの方が扱いが良いように思います。
まとめ
今日は、カメラを買ったならぜひ手に入れてほしいGodoxのソフトボックスを紹介しました。
中々思った写真を撮れず、高価なカメラやレンズを買いたくなる気持ちもわかりますが、そこをグっとこらえて是非ライティング機材を導入してみて下さい。
光を読む力も身に付きますので、写真の上達にもつながりますよ!
もっと小型で持ち歩きに便利なNissin MS-01というソフトボックスのレビューも別記事で書いています。
【関連記事】小型ソフトボックス Nissin MS-01 レビュー!屋外や出張スタジオでの撮影にピッタリ
興味があればぜひご覧ください。
参考になれば幸いです。
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